祭囃子が聞こえる

あの山鉾巡行から始まりチントンシャンの音色を響かせての京都祇園祭も
最終日を迎えた昨日、私のまちの納涼夏祭りも最終日。
今年は晴天の三連休という事も有ってか、かなりの人出で賑わった。
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地元のお祭りに行くなんて20年振りのこと。
自宅から200メートル先の公園内で行われるのに。
毎年この時期になると風に乗って祭囃子が聞こえてくる。
自宅の近くを、浴衣を着た中学生や小学生の女の子達が奇声を発しながら、
何やら楽しそうに行き交う。
その前か後に男共が居て無邪気にはやし立てる。
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心の様は今の子供達とだいぶ違うが、遥かむかし自分にもそんな思い出があった。
以前はこんなに男女が一緒になってお祭りに繰り出す事は稀で、
淡い恋心を秘めて男同士、女同士で期待と不安を胸に向ったものだった。
男子は「あの子は来ているだろうか?」そして女子は「新調した浴衣の自分を
探し当ててくれるだろうか?」なんて。
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提灯やライトで明るく映し出された会場に一歩足を踏み入れると、お囃子や
雑踏で気分が盛り上がるのと同時に緊張で足は浮き足出すのである。
友人と行動を共にしなくてはならないが目はいつしか“あの子”を探している。
ズックも土埃で汚れ果て、つまずいたりぶつかったりしながら。
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やっとの思いで一かたまりの女子連の中に“あの子”を見つける。
すると友人達も「おー!あいつ達も来てるな。おまえ行かなくていいのか?」
などと余計なことを言う。
「何言ってんだバカヤロー!」と返しつつも目は“あの子”に釘付けなのだ。
すると15メートルは離れて立っている“あの子”も友人達につつかれ私を認識する。
少し緊張した面持ちで、笑顔の様なそうでない様な顔をし、じっとこちらを見つめる。
一瞬時間が止まったように見つめあう。
ほんの短い時間であったが、それだけでじゅうぶんだった。
そんな短い一瞬だけど、私は“あの子”の今日の全てを心に刻んだ様な気がした。
「射的やろうぜー!」と、せっつかれ友人の輪のなかに戻る。
満たされ、世界で一番幸せであろう自分がそこにいた。
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時は流れ、私にも可愛い甥っ子が出来た。
母は日本の風物詩でもある夏祭りに孫を連れて行くのを何よりも愉しみにしていた。
実家に帰った娘と孫と私を伴なって。
まだ2歳か3歳の可愛い盛りの甥っ子は白いかすりの甚平姿。
ちょうどこの子くらいの時だろう。
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当初その人込みや音楽に圧倒され、つないでる手をぎゅっと握って離さない。
それどころか口をぽか~んと開け“僕どうしたらいいの?”と固まっている。
そんな時の子供の表情がたまらなく可愛い。
抱き上げダッコをすると“守られている”という事を実感するのか急に元気になる。
すぐ横にある顔がにんまりとしてくると、もう私はこの子の奴隷のごとく指示に従い
動かされるのである。
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もうあれから何十年たったのだろう。
祭囃子が風に乗り聞こえてくると、いつもこの二つの事を思い出す。
by sammy-mola-art | 2010-07-19 18:51 | 独り言
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