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江戸情緒あふれる柳橋界隈

震災の自粛ムードも和らいだ4/21日。
念願の鞄製作教室の申込みから一年たってやっと空きが出た。
当日の空模様は曇りだったけどウキウキした気分で江戸情緒が残る柳橋へ。
教室の先生は40そこそこの若手だが、彼の造るダレスバックは本格的なもので
鍵の部分の真鍮などは海外から取り寄せ、ピカピカ光るところをあえてマットに
造りかえるなど趣味もいいのだ。
第一回目とあって、まずは道具の見立てや取り扱い方についてのレクチャー。
道具も単なる趣味のものから出て本格的なものをチョイスするので、なかなか物入りだ。
いったい何時に成ったら一人で造れる様に成るのか分からないけど、しっかり基礎を学ぶ事と、
自身の努力と熱意が最後にものをいうのだろう。

四時間半の授業を終え、まずはコーヒーブレーク。
私は台東区、江東区、墨田区といった江戸情緒が残るこの辺りが昔から大好きなのだ。
古臭いと云ったイメージは微塵も感じない。
流行は追わないまでも、いざという時にはそれ相当の格式と、ものを知っていて
唸らせられる事がしばしばあるのだ。
もちろん、それはそこに住む全ての人に当てはまる訳では無いけれど。

うつらうつら、そんな事を考えていたら宵闇が迫る直前になってしまった。
柳橋一丁目を隅田川方面に歩いて行くと料亭風の入り口が目に留まった。
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近づいてよく見ると「lucite gallery」とあり、当日は「二階堂明弘」さんと云う方の
作品展をやっていた。
「これは入るしかあるまい!」と、戸を開け飛び石を踏みつつ趣のある玄関へ。
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カラカラと懐かしい音を立て引き戸を開けると、そこはもう大正、昭和レトロの世界。
奥へ声をかけるとキュレーターとおぼしき女性が出てきて丁重な挨拶をしてくれる。
玄関を上がり磨き上げられた細い廊下を歩くが、途中それが“かしいで”いるのだ。
それくらい古い建物なのだろう。
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廊下を歩く時の、きしんだ音も暗さも何もかもいい。
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催しは一階の洋間、和室と二階の全てが展示会場になっていた。
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二階へ上がると息をのむ。
屋敷の下には、とうとうと流れる川が目の前に現われた。
それは神田川の合流により、より水量を増したここ柳橋ならではの隅田川だった。
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展示されている陶器は益子の陶芸家 二階堂明弘さんの作品。
この度の大震災で益子も大きな被害に遭っていた。
人間国宝「濱田庄司」の参考館はじめ、町内に40基ある登り窯の大半が損壊。
被害額は日に日に増えているという。
当の二階堂明弘さんの工房も損壊。
ただ今回は、作り置いた以前の作品など被災をまぬがれた全てを展示。
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まるで土の中から発掘されたような表情をもつものから、端正な表情を醸し出して
いるものまであり、見応えがある。
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鑑賞しているうちに自分の“好き”というスイッチが入りっぱなしになり、
遂にぐい飲み、中鉢など3点ほど購入してしまった。

しかし何といってもこの風情ある佇まいの屋敷。
さもありなん、ここは芸者から小唄で一世を風靡した市丸姐さんのお屋敷なのであった。
当時、ラジオからテレビに移った時代、風を読みビクターから看板歌手としてデビュー。
幾多のヒットを飛ばしライバルの勝太郎とともに、その人気を二分し「情の勝太郎、智の市丸」といわれた美人歌姫その人の家なのである。

ここのキュレーターである米山さんと幸いにもお話することが出来愉しい一時だった。
ご案内戴いた7月には、ここで「笑月庵・川開き」と称し、川面を渡る風にうたれながら
「日本そば更科」の小林丈浩氏による打ち立ての蕎麦と酒で納涼床を愉しもうと
思っている。

この日はその他にも嬉しい発見がいくつかあり、充実した一日だった。
やはり横浜に燻ぶってばかり居ないで、たまには上京しないと・・・かな?
by sammy-mola-art | 2011-04-24 18:27 | 好きなもの